1月14日(木)の熊日新聞『読者ひろば』に、本校の清田先生の投稿文が掲載されました。1月11日(月・祝)に行われた卒業生の成人式への想いを綴った文章です。
志成館は、いつまでも卒業生の皆さんの居場所であり続けたいと思っています。何でもない時にも、気軽に遊びに来てくださいね!
文面は、次の通りです。
新成人7人にささやかな式
清田一弘 58歳
=高校教員(熊本市)
通信制の本校では、毎年20歳になる卒業生に「成人の日の午後、学校を開けておくので立ち寄って!」とハガキを送っている。例年なら、卒業生たちがスーツや晴れ着に身を包み、成人式の帰りに顔を出してくれる。談笑したり、記念撮影をしたりして時間を過ごす。
今年はコロナ禍で県内各地の成人式が中止になっている。新成人の卒業生は、高校入学後、熊本地震に見舞われたつらい経験をしている。さらに一生に一度しかない成人式が行われないとなると…。やり切れない思いにかられた。
「よし、今年は、来てくれた卒業生たちの成人式をここでやろう!」。手指消毒・検温と感染予防を徹底し、広い教 室で間隔を空けて座席を準備した。
集まってくれたのは県内在住の7名。地域で行われている式典さながら、先生たちからのお祝いメッセージ、卒業生一人ひとりが思いを語る「青年の主張」、校歌を心の中で歌い後、最後に記念撮影を行った。
通信制高校で3年間受け持った生徒たちとの久しぶりのまとまった再会だった。思春期の多感な時期、熊本地震を乗り越え、一時的にゆっくりとした時間を過ごしてきた生徒たちは、着実に社会で生きていくエネルギーを蓄えていた。今、それぞれの道を立派に歩んでいる姿に、たくましささえ感じた。
ここは、卒業生にとって、いつまでも居場所であってほしい。コロナ禍で行ったささやかな成人式で、さらにその思いを強くした一日となった。
卒業カウントダウン あと20日