【令和4年8月25日(木) 昨日の熊日新聞に載りました】

こんにちは。八代校の森下です(^^)/

昨日8月24日(水)熊本日日新聞『読者ひろば』に、志成館のカウンセラーである森下の投稿文が掲載されました。

以下、掲載された文章です。


 

森下華奈(32歳/高校カウンセラー)(八代市)

 夏休みが終わりに近づくこの時期は、子どもの自殺防止に関する取り組みが様々な場で目に入る。毎年この時期に10代の自殺者が増えるからであろう。10代の自殺者はコロナ禍に入る直前の2019年に戦後最悪の数字となり、その後コロナ禍で急増、高止まりの状態が続いている。

 また、自傷行為をする10代も増え続けている。自傷行為というのは、勘違いされやすいが誰かに注目して欲しくてやっているわけではない。辛さに耐えられなくなった時に、その記憶を自分から切り離し、生きるための手段として自傷行為をする人がほとんどだ。誰にも相談せず、1人で心を治療しているのである。

 「誰かに相談すればいいのに」と思う方もいるだろう。私自身も経験があるが、死にたい気持ちを相談すると、大人たちは口を揃えて「そんなことを言っちゃいけない」「命を大切にしなさい」「あなたより大変な人はたくさんいる」と説教をする。勇気を出して相談したのにこのような言葉が返ってくれば、子どもたちは死にたいと思う自分を否定された気持ちになり、以降誰にも打ち明けなくなってしまう。大人が良かれと思ってアドバイスをしたことが、子どもを孤立に追い込み、最悪の結果につながりかねないのだ。

 私たち大人が出来ることは、否定せずに子どもの訴えを聴くことである。人生の先輩としてつい気の利いたことを言いたくなるものだが、ただ「そうなんだね」と横でうなずいてくれる人がいるだけで心強いのではなかろうか。まずは子どもたちを孤立させないことから、社会全体で取り組んでほしい。


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 とはいえ、家庭で子どもにいきなり「死にたい」などと告白されたらつい感情的になってしまう保護者の方も少なくないはず。ですので、こういった”重たい話”に関しては、冷静に話を聴いて下さる第三者を挟むことが大切かなと思います。

 志成館には4名のカウンセラーがいます。話しやすい先生に頼ってみて下さい。必ず皆さんの味方になります。